●トランプ大統領が景気刺激策として、2000億ドル規模の住宅ローン債購入を打ち出したことを受け、資金がグローバル規模で株式市場へと向かうなか、ビットコインは9万1000ドル超付近で横ばいとなった。
●投資家の関心が、反発する株式市場へと移るにつれ、ビットコインのデリバティブ取引は急速に冷え込んだ。
●テクニカル指標は値動きの圧縮を示しており、9万ドルが下値サポート、9万3500ドルが上値レジスタンスとして、次の方向性を決めるブレイクアウトゾーンとなっている。
ビットコイン(BTC)は9日、9万1100ドル付近で推移し、日中の値幅は限定的だった。トランプ大統領が米国の住宅コスト引き下げを目的とした2000億ドル規模の住宅ローン担保証券(MBS)購入計画を発表したことを受け、株式市場は上昇した。
さらに、ベネズエラ産原油が国際市場に供給されるとの見通しがマクロ環境への安心感を高め、予想を下回った米雇用統計による小幅な下落圧力を相殺した。
こうした政策主導の資金ローテーションにより、週前半に地政学的緊張の高まりを背景に恩恵を受けていたビットコインの短期的な需要は薄れた。
トランプ大統領の2000億ドル規模の住宅ローン債購入計画で株式市場が回復する中、ビットコイン需要は停滞
ビットコインは9日、9万1100ドル前後で底堅く推移し、日中の値動きは約1%の狭いレンジに収まった。米国発の複数の材料が世界のリスク資金の流れを再構築するなかで横ばい推移が続いた。
トランプ大統領は、住宅ローン金利を6%以下に引き下げることを目標に、2000億ドル相当の住宅ローン担保証券を購入する計画を明らかにした。大統領は8日、SNS「Truth Social」への投稿で次のように述べている。
「私は担当者たちに、2000億ドル分の住宅ローン債を購入するよう指示している。これにより住宅ローン金利は下がり、月々の支払いも軽減され、住宅取得コストはより手頃になるだろう」
〈トランプ大統領の2000億ドル規模の住宅ローン債購入計画を受け、米国・英国・日本の株式市場は上昇|TradingEconomics〉
この施策は、住宅購入の負担を和らげることを目的としており、結果的に家計の購買力を高め、リスク資産への需要を押し上げる可能性がある。
実際、グローバル市場は即座に反応した。TradingEconomicsのデータによると、米国株が上昇を主導し、米国のハイテク株指数「US100」は、Google、Apple、Metaの上昇を背景に1.20%上昇した。
海外市場も軒並み上昇し、日本の日経平均株価は4.83%上昇、ドイツのDE100や英国のFTSE100も上昇した。
〈世界の株式市場が反発するなか、ビットコインのデリバティブ取引高は10.73%減少|Coinglass〉
伝統的市場が米国の成長見通しと流動性改善への期待を織り込む一方、ビットコインは短期的なマクロ優位性を失った。
Coinglassのデータによると、ビットコインのデリバティブ市場では取引活動が目に見えて減少し、直近24時間で取引高は10.73%減の809億5000万ドル、未決済建玉は2.68%減の608億1000万ドルとなった。オプション取引も軟化し、取引高は0.21%減の45億7000万ドル、未決済建玉は1.51%減の328億1000万ドルとなった。
デリバティブ市場が低迷する一方で、現物価格は安定しており、短期トレーダーがデリバティブ市場ではなく、日中の流動性の高い市場での上昇機会を求めていることを示している。
ビットコイン価格見通し:9万ドル割れなら、次のブレイクアウト前にもう一段の調整も
ビットコインの日足チャートには、今週初めに9万3400ドル付近のボリンジャーバンド上限を突破できなかった後、9万1000ドルのサポートラインの維持に苦戦している様子が示されている。
ボリンジャーバンドは圧縮し始めており、1月初めの上昇後にボラティリティが低下していることを示している。20日単純移動平均線(SMA)は8万9300ドル付近にあり、当面の下値サポートとして機能している。一方、上側のボリンジャーバンドである9万3400ドル付近は、引き続き上昇を抑える水準となっている。
日足終値が20日移動平均線を下回れば、ビットコイン価格は8万5000ドル付近までのさらなる調整にさらされる可能性が高い。
〈ビットコイン(BTC)テクニカル価格分析|TradingView〉
日足ベースのRSI(相対力指数)は50.42まで低下し、直近の買われ過ぎ水準から落ち着いてきている。中立的なRSI水準は、強い方向感が欠けていることを示しており、9日の横ばいの値動きと一致する。重要な点は、RSIが40を上回っており、弱気の勢いが限定的なことだ。
短期的には、8万9000ドルを明確に下回れば、短期的に想定されていた上昇局面の形が崩れ、8万6500ドル付近までのより深い調整にさらされる可能性がある。一方で、9万3500ドルを上回る水準で日足終値を維持できれば、今週初めにKalshiのトレーダーが予測したように、心理的節目である9万5000ドルに向けた上昇に向けて、強気の勢いが再び点火する可能性がある。
New Atlas for Digital Assets ──
デジタル資産市場の「地図」と「コンパス」を目指して


