連続起業家・溝口勇児氏の政治系YouTubeチャンネルが母体である「NoBorder DAO」が発行した、高市早苗首相の名を冠したミームコイン「サナエトークン(SANAET)」を巡り、運営関係者による利確疑惑が浮上している。SNSユーザーの川島氏は1日、サナエトークンが分散管理されたウォレットの一部から売却されているとX上で指摘し、運営の説明との整合性に疑問を呈した。
サナエトークンは内部売却疑惑と並行して、これまで資金決済法との関係を巡る法的リスクが指摘されてきた。加えて、運営が総供給の65%を継続的に売却する計画を示している点や、公式サイトの日本語展開で日本市場を対象としていると受け取られ得る点などを巡り、SNS上では懸念の声が上がっている。
こうした状況を踏まえて、NoBorderは2月28日に公式声明を発表。法的な問題についてはしっかり整理しているとし、運営リザーブ分は利益目的ではなくエコシステム構築のために活用する資金であると強調した。
また、複数ウォレットによるトークンの分散管理はハッキング対策が目的であり、これらウォレットからの売却事実はないと説明。関係者によるインサイダー取引についても明確に否定している。今回の川島氏の指摘は、運営が否定してきた「売却の有無」という点に直接踏み込む内容となっている。
川島氏は投稿の中で、売却に関連したとされるウォレットアドレスの一部を共有。さらに、このウォレットが直近でローンチされた「NoBorder」という別トークンに関与している可能性も指摘している。
また、同氏の投稿を引用する形で、実業家のZ李氏も別トークンへの関与に言及。売却に関係したとみられる人物が過去に「TAKAICHI TOKEN」や「ISHIBA TOKEN」といったトークンをローンチしていた可能性があると指摘し、サナエトークンに対しても「雲行きが怪しい」との見方を示した。
一連の売却疑惑騒動を巡り、溝口氏も反応を見せた。同氏は「運営の中に利確してるやついるの?話が違くないか」と投稿。理念のもとで立ち上げたはずのプロジェクトで内部売却が行われているのであれば信用できないと述べ、説明を求めた。
この投稿に対して、「白々しい」「被害者ヅラ」といった批判的な意見が多くみられた。この他、「なぜトークンをロックしなかったのか」「運営自体がブロックチェーンの仕組みを理解していない」といった指摘も拡散。プロジェクト側の技術理解やガバナンス体制そのものを疑問視する層がいることも浮き彫りになった。
理念を高く掲げる一方で、トークン設計の甘さや説明の矛盾が目立つ点は、SNSユーザーから厳しい目が向けられている。売却疑惑はもちろんのこと、運営側が仕組みを十分に把握しないままプロジェクトを走らせていたのではないかという懸念に対し、納得感のある回答を示せるかが今後の焦点となりそうだ。
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