東京都のフィンテック企業Maximalが17日、円建てと米ドル建てのステーブルコインに対応した決済インフラサービス「BluePay(ブルーペイ)」の提供を開始した。既存の法定通貨決済システムとJPYCやUSDC等のステーブルコインを組み合わせた「ハイブリッド型決済基盤」として、国内外における商取引の効率化を支援する。
BluePayは、関連法令および業界ガイドラインに準拠した設計のもと、既存の決済システムとステーブルコインを統合する決済インフラとして構築された。価格変動リスクを抑えたステーブルコインを活用することで、迅速かつ透明性の高い決済を実現し、新たなデジタル経済圏の形成を目指す。
日本では円建てステーブルコインのJPYCは2025年10月に正式発行が開始され、2026年2月時点で累計発行額は10億円を突破している。Web3関連事業者や法人による利用が進んでおり、決済や送金、キャンペーン施策など多様な用途での活用が広がっている。
一方、米ドル建てステーブルコインのUSDCは、Circle社が発行する世界第2位のステーブルコインである。2026年2月時点で時価総額は約73億ドルから74億ドル(約11兆円)に達している。国内ではSBI VCトレードが2025年3月から取扱いを開始し、Circle社は2025年11月にコインチェックとの提携も発表した。
既存の決済ネットワークは、段階的な清算構造や高コスト体質、越境取引における非効率性など、構造的な課題を抱えている。キャッシュレス化およびデジタル経済の進展に伴い、決済インフラには「即時性」「低コスト」「透明性」「国際互換性」がこれまで以上に求められている。
BluePayはこうした課題に対し、法定通貨とデジタル通貨を制度内で統合する新たな決済基盤として設計された。ブロックチェーン技術の活用により、従来の決済システムと比較して低コストでの送金や決済が可能となり、国際送金においても迅速な処理が期待される。
ステーブルコイン市場の時価総額は、2026年2月時点でUSDT(テザー)が約1840億ドル(約28兆円)、USDCが約73億ドルから75億ドル(約11兆円)に達している。一方、JPYCの流通規模は2月14日時点で約4億9100万円に達し、累計発行額は10億円を突破した。グローバル市場と比較すると規模は小さいものの、2025年10月の正式発行開始から短期間で急速な成長を遂げている。
三井住友カードとマイナウォレットは2026年1月、マイナンバーカードを活用したステーブルコイン決済の実証実験を福岡市で開始した。また、三菱UFJ銀行など3メガバンクも2025年11月から共同でステーブルコイン発行の実証実験を進めている。アライドアーキテクツは1月28日、JPYCを活用したビジネス導入支援サービスの提供を開始すると発表した。
日本では法規制の整備が進み、ステーブルコイン市場は実用段階に入りつつある。BluePayの登場により、国内企業によるステーブルコイン決済基盤の構築が本格化し、デジタル決済市場の競争が一層激化する可能性がある。
