SBIホールディングスとStartale Groupはこのほど、オンチェーン金融資産取引に特化したレイヤー1ブロックチェーン「Strium Network(ストリウム)」を共同で発表した。暗号資産、トークン化株式、リアルワールドアセット(RWA)を含むあらゆる金融資産を対象とし、24時間365日稼働する現物およびデリバティブ市場を提供する。
両社は推計1,890兆ドル規模に達すると予測されるトークン化金融資産市場の獲得を目指す。同プロジェクトは2025年8月の戦略的パートナーシップにおける最初の主要マイルストーンであり、現在は概念実証(PoC)フェーズに移行している。
Striumは、従来の証券取引所が営業時間や地理的制約に縛られる課題を解決するプラットフォームである。株式、証券、コモディティ、指数などの多様な金融資産をトークン化し、ブロックチェーン上で取引・決済を実行する。既存金融インフラでは営業時間外の取引や即時決済が困難だったが、Striumはオンチェーンネイティブな設計により、迅速な価格形成、継続的な取引機会、スケーラブルな流動性供給を実現する。
暗号資産を主対象とするプラットフォームと異なり、Striumは伝統的金融資産のオンチェーン化に注力する。SBIホールディングスが国内外に有する8,000万人超の顧客基盤と、証券・銀行・金融サービス分野における実績を活用し、機関投資家の需要とプロフェッショナルな取引活動をオンチェーン上で結びつける役割を担う。アジアにおけるオンチェーン証券市場の基盤的な取引所レイヤーとしての地位確立を目指している。
現在実施中のPoCでは、独自のチェーンアーキテクチャの検証に加え、決済の即時性と高負荷環境下における耐障害性が主要な検証項目となっている。これらは今後の開発ロードマップやパートナーシップの拡大、規制当局との対話を進める上での技術的エビデンスとして活用される。両社は性急な商用化よりも、機関投資家の利用に耐えうる堅牢な金融インフラの構築を最優先事項と位置付けている。
今後公開予定のStriumテストネットでは、トークン化証券およびRWA市場を支える次世代レイヤー1ブロックチェーンを初期参加者が直接体験できる環境を提供する。並行してSBIホールディングスは、スケーラブルかつ規制対応型のオンチェーン金融インフラの開発を加速させるため、戦略的投資を実施する方針である。
Striumの特徴の1つは、人間のみならずAIによる自律的な取引を想定した設計である。AI主体の取引フローを組み込むことで、市場の流動性と効率性を大幅に向上させる狙いがある。将来的にはAI関連プロジェクトとのシナジー創出も視野に入れており、Web3時代の新たな金融標準としての地位確立を目指す。
両社は先立つ2025年12月、規制に完全準拠した円建てステーブルコインの共同開発に合意している。このステーブルコインは国内の法的位置づけとして信託会社・信託銀行により発行される「3号電子決済手段(特定信託受益権)」となり、2026年度第1四半期(4~6月)の発行が計画されている。Striumのコアレイヤーと連携する決済基盤として期待されており、オンチェーン取引と決済手段を一体で整備する枠組みの中核を担う。
開発の進捗に応じて、今後数カ月以内にさらなる発表を行う予定である。


