2026年1月22日、トランプ政権でAI・仮想通貨政策を担当するデビッド・サックス氏は、市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」が成立した場合、銀行業界と仮想通貨業界が統合され「単一のデジタル資産産業」へと移行する可能性に言及しました。
同法案は、仮想通貨市場に明確なルールをもたらすことを目的とする包括的な規制枠組みであり、2025年7月に下院を通過したものの、上院での審議が停滞している状況が続いています。
サックス氏は米CNBCのインタビューで「法案の最大の障害は、ステーブルコインの利回り(利息)提供をめぐる銀行と仮想通貨企業の対立だ」と指摘し、両業界の溝を埋めるには現実的な妥協が不可欠だとの認識を示しました。
また、法案の成立は、金融とテクノロジーの融合を進める上でも重要なステップであり、既存の規制枠組みに依存しない柔軟な制度設計の必要性を強調しています。
「停滞は業界に前向き」アナリスト評価
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サックス氏は、スイス・ダボスでの世界経済フォーラム期間中に発言しており、同時期には米仮想通貨取引所CoinbaseのCEOブライアン・アームストロング氏が法案支持を撤回したことも注目を集めていました。
アームストロング氏は、法案がステーブルコインの利回り提供を事実上制限し、銀行業界に一方的な利点を与えているとし「欠陥のある法案であるならば、成立しない方が良い」との見解を示しています。
こうした批判を受けて、サックス氏は法案をめぐる混乱の背景にある制度的不備や、対立構造の是正が急務であると述べています。
中でも争点となっているのが、ステーブルコインの利回り提供の可否です。
サックス氏によれば、2025年に成立したステーブルコイン規制法「GENIUS法」では、利回りに該当する報酬の提供が既に容認されており、CLARITY法案が成立しなくとも一部サービスは継続される見通しであると説明しています。
この点を踏まえ、サックス氏は「交渉が決裂すれば、銀行側が不利な立場に追い込まれる。双方にとって合理的な落としどころを見出すことが重要である」と述べ、妥協が現実的な解決策であるとの認識を示しています。
一方で、仮想通貨業界に対しても「利回りは理念的に重要であるが、市場全体の構造を整備する法案の成立も同様に優先されるべきである」と語り、全体最適の視点から柔軟な姿勢を求めています。
実際にアームストロング氏も「政府は一方の業界に肩入れすべきではありません。両者が同様の条件で競争できる環境が求められます」とFOXビジネスのインタビューで語っています。
さらに、サックス氏は「同一の金融商品を提供するのであれば、規制の枠組みも一致すべきです。業界間の規制調和は今後の不可避な課題です」と語り、金融と仮想通貨の境界を再定義する必要性にも言及しています。
同氏は、今回の法案の行方を昨年のGENIUS法案が紆余曲折の末に可決された経緯に重ね「良い妥協とは、すべての関係者が多少の不満を抱えるものである」との見解も示しています。
仮想通貨と予測市場の制度刷新へ
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CLARITY法案は、2026年1月中旬に予定されていた上院銀行委員会での採決を控えていましたが、ステーブルコインの利回り条項をめぐる意見の不一致により、審議は急遽延期となりました。
特に、Coinbase(コインベース)のアームストロング氏が法案支持の撤回を表明した影響は大きく、市場では一時的に先行き不透明感が強まりました。
ただし、サックス氏はこの延期を受けて、自身のXアカウントで「仮想通貨業界はこの一時停止を利用して、残っている違いを解決すべきです」と投稿し、各関係者に歩み寄りを促しています。
米政権側も依然として法案成立への意欲を維持しており、サックス氏は「包括的な市場構造法案なしに、米国が世界の仮想通貨拠点としての地位を確保するのは困難です」と述べ、迅速な制度整備の必要性を強調しています。
また、上院銀行委員長のティム・スコット議員も、法案の再調整と採決の見通しについて「超党派による合意の余地は十分にあります」との見方を示しています。
金融と仮想通貨が交差する新たな産業構造の確立に向け、制度設計の最終調整は重要な局面を迎えています。
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Source:CNBCインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像

