暗号資産(仮想通貨)による寄付プラットフォーム「KIZUNA HUB」を運営するグラコネは12月23日、実物のコインにビットコイン(BTC)がひもづけられた「フィジカル・ビットコイン」を用いたチャリティーオークションの収益として、総額0.31802BTCを5つのNPO団体へ寄付したと発表した。
今回のオークションに出品されたのは、世界初のフィジカル・ビットコインとして知られる「Satori(悟) Coin」の誕生10周年を記念した特別モデル「Satori Coin Gi」。フィジカル・ビットコインとは、実物のコインにビットコインの秘密鍵情報を組み込み、ブロックチェーン上のBTCと価値を連動させたもので、ビットコインを「手に取れる形」で表現したプロダクトとして知られている。
寄付総額は0.31802BTCで、12月21日時点のレート換算で約443万3636円に相当するという。寄付先は、大阪を拠点に10代の不登校や経済的困難を抱える若者を支援する団体やアフリカのケニアやウガンダで孤児や貧困家庭の支援を行う団体など、以下の5つ。
- 認定NPO法人D×P
- 認定NPO法人PLAS
- 認定NPO法人D-SHiPS32
- Marignani Lab
- Salvation Army Singapore
リリースによると、オークションサイトにかかる手数料を除き、収益は差し引かれることなく、全額が5団体に均等に分配されるという。グラコネは、寄付先の選定と各団体との調整を担当した。
同社は、2014年設立のブロックチェーン・コンサルティング企業。暗号資産・Web3・NFT領域におけるソーシャルグッド(社会的善)の推進に取り組んでいる。「KIZUNA HUB」を通じてこれまでにも、暗号資産取引所バイナンスと連携した平成29年九州北部豪雨支援やコロナ禍での医療支援などを実施してきた。
代表取締役の藤本真衣氏は2011年よりビットコインの普及に携わり、「ミス・ビットコイン」の愛称でも知られる人物だ。
藤本氏はリリースで、2017年に「KIZUNA」を立ち上げた際にSatori Coinによる支援を受けた経験を振り返り、ビットコインを単なる「金融商品」としてだけではなく、「社会に還元できる手段」や「アートとしての価値」として捉える思想に共感してきたとコメントしている。また近年はNPO側の理解も進み、法定通貨に換金することなく、BTCのまま寄付ができるケースが増えているとし、暗号資産寄付の裾野が広がりつつあることに手応えを示した。
|文:橋本祐樹
|画像:リリースより
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