暗号資産(仮想通貨)ウォレットRainbow(レインボー)は16日、独自トークン「RNBW」のトークン生成イベント(TGE)を2026年2月5日に実施すると発表した。同日、暗号資産メディアBankless(バンクレス)のインタビューに応じた共同創業者のマイク・デマレー氏とCEOのアレックス・ラプラード氏が、今後のロードマップを明らかにしている。
RNBWは、レインボーのエコシステムにおける「報酬と所有権」の中核を担うトークンとなる。具体的には、ユーザーがアプリ内で行うスワップや無期限先物、予測市場といった活動において、その収益の一部が市場でのRNBWの買い戻しに充てられる。買い戻されたトークンは、ユーザーに再分配される仕組みだ。
また、RNBWは「トークン保有者と株式保有者の利益の不一致(アライメント)」を解消するための新たな法的構造を導入している。具体的には、Rainbow Foundation(レインボー財団)が同社株式の20%を保有。トークン保有者のためにその価値を担保する仕組みを構築することで、事業の経済的な成功を直接トークン価値に反映させることを狙っている。
レインボーはこれまで、ウォレット利用やユーザー活動に応じてポイントを付与するインセンティブプログラムを展開してきた。2025年9月には独自トークンの存在を公表し、2025年第4四半期の公開を示唆していたが、今回の発表により、TGEの日程が具体的に示され、公式エアドロップの実施も明確となった。
現在、レインボーは暗号資産発行プラットフォームCoinlist(コインリスト)上でRNBWのプレセールを実施している。同社によると、このプレセールは12月18日までの期間限定で行われ、参加者はメインネット経由でステーブルコインを送付することでトークンを購入できるという。
今回のプレセールにおける価格設定は、完全希薄化後時価総額(FDV)を1億ドル(約154億円)と評価したもので、直近の資金調達ラウンドと比べて33%のディスカウントに相当する。なお、販売対象はトークン総供給量の3%にあたる3,000万RNBWに限定されており、TGEの際に100%アンロックされる予定だ。
2026年2月のTGEに向けた動きは、ウォレット市場における競争環境や、Web3インフラにおけるトークン活用の在り方に影響を与える可能性がある。12月18日のプレセール終了後、レインボーが示す新たな標準が市場にどのように受け入れられるのかが、今後の注目点となりそうだ。
関連:ソラナモバイル「Seeker」のSKRトークン、総供給の30%をエアドロップに配分
関連:新興L1 モナド、メインネット稼働──エアドロップとセール経てエコシステム拡大
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.9円)

