ビットコインは15日(月曜)も続落し、直近安値である9万4,000ドル(約1,455万円)付近を試す展開となっている。オンチェーン活動も市場への逆風を示唆しているが、一方で新たな局面に向けて市場が動き出しているとの分析も […]ビットコインは15日(月曜)も続落し、直近安値である9万4,000ドル(約1,455万円)付近を試す展開となっている。オンチェーン活動も市場への逆風を示唆しているが、一方で新たな局面に向けて市場が動き出しているとの分析も […]

ビットコイン弱気一色も専門家は強気、4年サイクル崩壊の可能性

ビットコインは15日(月曜)も続落し、直近安値である9万4,000ドル(約1,455万円)付近を試す展開となっている。オンチェーン活動も市場への逆風を示唆しているが、一方で新たな局面に向けて市場が動き出しているとの分析も確認されている。

米財務省によるステルスQE進行──RoC上向きがトレンド転換のカギ

オンチェーン分析プラットフォームのアルファエクストラクトは16日、公式Xにて「米財務省による”ステルスQE(金融緩和)”が、いよいよ隠しきれない段階に入ってきた」との見解を投稿した。

アルファエクストラクトは、連邦準備制度理事会(FRB)がすでに短期債の買い入れを開始していると指摘した。再びバランスシート拡張へ動いていることから、2026年に向けた政治的インセンティブ(景気下支え圧力など)を掲げる前から「QEに向けた地ならし」が進んでいるとの見立てを示している。

このような状況から、ビットコインは強固なファンダメンタルズサポートによって支えられており、足元の下落は短期ノイズに過ぎないと分析する。「売り圧の背景は、マクロ悪化というより”4年サイクル”の経験則に機械的に従ったポジション解消だろう」と推測している。

その結果「強気サイクルの延長、あるいは4年サイクルそのものが機能しにくい局面に移行する可能性が高まっている」との見方を示した。とはいえ、Global liquidity(世界の流動性)は0.54兆ドル(約83.6兆円、−0.37%)減少しており、リスク市場には依然として逆風が続いている。

流動性の変動率を表すRate of Change(RoC)が明確に上向いた時点がトレンド転換のタイミングだと分析しており、「これらの状況を踏まえると、ビットコインは過小評価されているようだ」と締めくくった。

短期保有者の含み損が相場を抑制──トレンド転換の準備期間か

オンチェーン分析企業のクリプトクオントは16日、公式Xにて、ビットコイン短期保有者の実現価格から見た今後の展開についての見解を共有した。

ビットコインは2025年10月30日以降、短期保有者(STH)の取得コストを下回る水準で推移している。STHとは、ビットコインを保有してから155日未満の、価格変動に最も敏感なアドレスのことを指す。現在のSTHの実現価格は約10万4,000ドル(約1,610万円)に位置しており、投稿当時の価格である約8万9,500ドル(約1,385万円)はこれを大きく下回っている。つまり直近で参入した投資家の多くが、含み損を抱えている状態だ。

この状況はSTH MVRV(短期保有者の含み損益指標)にも明確に表れている。STH MVRVは現在0.87〜0.90のレンジ帯で推移している。これはSTH全体で平均10~13%の含み損を抱えていることを意味する。

加えて、Realized Profit & Loss(実現損益)を見ると、STHは10月30日以降に平均で約−12.6%の損失を確定しており、含み損に耐え切れなくなった投資家による投げ売りの拡大も確認できる。

ここで重要なのは、オンチェーンの視点では反発局面が「新規の買い増し」ではなく、ポジション整理やリスクヘッジの機会として捉えられている点である。11月中旬以降、こうしたSTHからの売り圧力により、ビットコインはおおむね9万ドル前後のレンジ帯で推移している。

一方、歴史的に見ると、STHが長期間にわたって含み損状態に置かれる局面は、短期勢が市場から退場し、より確信度の高い保有者へ供給が移転する過程と重なりやすい。ビットコインがSTHの実現価格である約10万4,000ドルを回復しない限り不安定な相場は続くものの、「この構造は弱気相場というよりも、次のフェーズへ移行するための調整局面と捉えるのが妥当だろう」と結論づけている。

仮想通貨市場は今後も短期的に上値の重い展開が続く見込みだが、水面下では徐々に相場転換への地ならしが進んでいるようだ。トレンド転換のタイミングを逃さぬよう、相場の動向とオンチェーン活動を注視したい。

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