ビットコイン(BTC)は金曜日、7万8000ドルを上回る水準まで上昇し、2カ月ぶりの高値を更新した。ダブルボトムが確認されたことが、8万ドル台への勢いを後押しした。
この急騰は、イランが停戦合意のもとホルムズ海峡の再開を発表したことを受けたもの。株式市場と暗号資産市場全体でリスク選好ムードが広がった形だ。ただし、BTCが強い上値抵抗を突破し、この水準を維持できるかどうかについて、アナリストの見方は大きく分かれている。
本稿執筆時点で、ビットコインは7万7922ドルで推移。心理的節目である8万ドルに迫る水準だが、直近では2026年1月31日に同水準が試されていた。
この値上がりは、イランがホルムズ海峡を全面的に再開したとの報道を受けた動きだ。
現状、ビットコイン価格が今週末に8万ドルの心理的節目を奪還できるか、リスク選好の追い風を背景に注目が集まっている。
暗号資産アナリストのRekt Capital氏は、BTCがダブルボトム形成トップである7万3000ドル付近を上回って推移しており、週足の終値が注目水準となると指摘した。
ただし同氏は、3月にも同様のパターンが見られたものの、上ヒゲをつけて失速したことを警告した。
日足チャートでは、BTCはかつてのレジスタンスであった7万3000ドル付近をサポートへと転換し、連続してレジスタンス上での終値が続いている。
この動きが続く場合、数週間にわたる保ち合いレンジからの上方ブレイクアウトが確定となる可能性がある。
一方、予測市場のKalshiは、今月中のBTC8万ドル到達確率をおよそ40%と見積もっている。しかし、第2四半期には複数の重要水準が引き続き注目される。
トレーダーのテッド・ピローズ氏は、7万6000ドルを回復すれば価格が7万8000ドル~8万ドル帯に進む可能性があると指摘する。
実際、ビットコインが7万6000ドルを突破したことでロングポジションのエントリーポイントが生まれ、金曜日には7万8000ドル台を短時間試す展開となり、多くの懐疑的な投資家を驚かせた。Coinglassによれば、直近1時間でショートポジション約1億ドル分が清算されたという。
短期的には上昇傾向が見られるものの、Rekt Capital氏はマクロの逆風が依然として強いと指摘。BTCが持続的な上昇トレンドを確立するには8万2500ドルを回復し、数カ月にわたる下降トレンドの高値水準を突破する必要があると述べた。
過去の傾向からは、いずれの節目も実現しない可能性が高く、弱気市場があと半年程度続く可能性も示唆されている。
弱気相場中のレジスタンスとして機能しやすい21週指数平滑移動平均(EMA)は、現行価格水準に重なる位置にある。加えて、ホルムズ危機をめぐる原油ショックもマクロの不透明感を増加させる要因だ。
BTCはまた、数カ月前に下抜けたマクロトライアングルの下部で推移しており、2014年には同様のパターンが分配(=下方向)に展開した経緯がある。
QCP Groupも警戒感を示し、デリバティブデスクが依然として下落リスクヘッジを選好していると指摘。上昇はスポット主導で脆弱であり、構造的なトレンド転換ではないとの見方を示した。
Ted Pillows氏は別途、7万9000ドルから8万ドル付近でビットコインのショートを計画していると明かした。これは直近2回のローカルトップで、一度キャピチュレーションキャンドル高値を上抜けてから反転したパターンを踏まえたもの。
一方で、複数のオンチェーン指標は4月を通じてまちまちなシグナルを示してきた。CryptoQuantのアナリスト、ウー・ミンク・ユー氏は、ビットコイン合成市場指数(BCMI)が0.2〜0.3に低下したと指摘した。
このゾーンは歴史的に割安圏にあたる。
より健全な上昇を裏付ける材料として、CryptoQuantの別データではバイナンスの未決済建玉(オープンインタレスト)が価格上昇にもかかわらず急減していることが示された。
レバレッジではなくスポット需要主導の上昇は、突発的な清算連鎖リスクを大きく抑える。
また、バイナンスへの取引所流入も2020年水準まで減少し、投資家は上昇局面でも売却よりも保持を選んでいる様子がうかがえる。
ただし、今週は取引所への移動が1時間あたり約1万1000BTCと、2025年12月以来の高水準に達したとの別データもある。
大口保有者が上昇継続局面で分散売却の構えを見せている可能性もある。
4月の予想ではビットコインが月末に7万ドル中盤に到達すると見込まれていた。金曜の終値が、7万7000ドルを突破したブレイクアウトが実際に8万ドルへの一段高に繋がるか、あるいは広範な弱気相場構造のなかで再び失敗に終わるかの分岐点となりそうだ。


